ファクタリング「2社間 vs 3社間」で俺が2社間を選んだ、たった一つの理由

社長、正直キツイっすよね?

資金繰りのことで頭がいっぱいで、夜中にふと目が覚める。胃がキリキリと痛む感覚、俺も知ってるよ。

あの時、俺もあなたと同じ絶望の淵に立たされていた。

父から継いだ会社が、主要取引先の倒産で5,000万円の売掛金が焦げ付き、社員の給料日を目前にキャッシュが尽きかけた。メインバンクからは「追加融資は難しい」と冷たく突き放され、まさに「資金繰りの酸素ボンベ」が切れた状態だった。

藁にもすがる思いで辿り着いたのが、ファクタリングという手段だ。

ファクタリングには「2社間」と「3社間」の二つの選択肢がある。

理想論を言えば、手数料が安い「3社間」を選ぶべきだ。銀行やコンサルタントはそう言うだろう。

だが、俺は迷わず「2社間ファクタリング」を選んだ。

なぜ、手数料が高いと分かっていながら、俺は2社間を選んだのか?

この記事では、借金地獄から生還した「資金繰りサバイバー」である俺、坂東誠が、綺麗事抜きで、あの時2社間を選んだたった一つの理由を赤裸々に語る。

この記事を読み終える頃には、あなたは「生き残る」ために、今すぐどちらを選ぶべきか、明確な答えを持っているはずだ。

資金繰りの「酸素ボンベ」ファクタリングの基礎知識

ファクタリングとは? 銀行融資との決定的な違い

まず、ファクタリングが何なのかを整理しておこう。

ファクタリングとは、あなたが持っている「売掛金(まだ回収できていない売上)」を、ファクタリング会社に買い取ってもらい、期日より早く現金化する資金調達の方法だ。

これは「借金」ではない。

銀行融資が「借入」であるのに対し、ファクタリングは「売買」だ。

だから、あなたの会社の負債は増えないし、銀行の信用情報にも影響しない。

資金繰りが逼迫している社長にとって、これはまさに「酸素ボンベ」のような存在なんだ。

2社間と3社間、仕組みの「たった一つの壁」

ファクタリングには、大きく分けて「2社間」と「3社間」の2種類がある。

この二つを分ける「たった一つの壁」は、「あなたの取引先(売掛先)が関わるかどうか」だ。

項目2社間ファクタリング3社間ファクタリング
契約関係利用者、ファクタリング会社(2社)利用者、ファクタリング会社、売掛先(3社)
売掛先への通知なし(秘密厳守)あり(承諾が必要)
手数料相場10%〜20%程度(高め)1%〜9%程度(低め)
入金スピード最短即日〜数日数日〜1週間程度

この表を見れば一目瞭然だが、3社間の方が手数料は圧倒的に安い。

しかし、3社間は必ずあなたの取引先(売掛先)に「売掛金をファクタリング会社に売却しました」と通知し、承諾を得る必要がある。

この「通知」こそが、現場の社長にとって、理想論と現実を分ける致命的な壁になるんだ。

2社間ファクタリングのリアル:俺が選んだ「スピードと秘密」

俺が初めてファクタリングを利用した時、選んだのは2社間だった。

手数料が高いことは知っていたが、あの時の俺には、そのデメリットを上回るメリットがあった。

2社間ファクタリングの仕組みとメリット

2社間ファクタリングは、あなたとファクタリング会社だけで契約が完結する。

売掛金はファクタリング会社に譲渡されるが、売掛先への通知は行われない。

メリット1: 圧倒的な入金スピード

2社間は、取引先の承諾というプロセスがないため、入金までのスピードが圧倒的に速い

俺が利用した時も、申し込みから入金まで、わずか2日だった。

社員の給料日を目前に控え、冷や汗が止まらなかった俺にとって、この「スピード」は、何物にも代えがたい価値だった。

まさに、資金繰りの「時間」を買う行為だ。

メリット2: 取引先にバレない秘密厳守

これが、現場の社長にとって最も重要なメリットかもしれない。

2社間なら、あなたの取引先に資金繰りが苦しいことを知られずに済む

もし取引先に「あの会社、ファクタリング使ってるらしいぞ」と知られたらどうなる?

「資金繰りが厳しいのか?」「倒産するんじゃないか?」と、一気に信用不安が広がる。

経営は格闘技だ。相手に弱みを見せたら、一瞬でKOされる。

秘密厳守は、あなたの会社の信用を守る「防具」なんだ。

現場で痛感した2社間の最大のデメリット(手数料の高さ)

もちろん、2社間には大きなデメリットがある。それは、手数料の高さだ。

俺が利用した時も、手数料は15%近く取られた。

「こんなに取られるのか…」と、正直、胃がキリキリした。

なぜ手数料が高いのか?

それは、ファクタリング会社が、あなたから売掛金を買い取った後、あなたが取引先から売掛金を回収し、それをファクタリング会社に渡すというプロセスを経るからだ。

この間に、あなたが売掛金を横領したり、使い込んだりするリスクがある。

つまり、ファクタリング会社は、あなたの信用リスクも負うことになるため、その分を手数料に上乗せせざるを得ないんだ。

3社間ファクタリングのリアル:理想論と現場のギャップ

一方、3社間ファクタリングは、手数料が安いという点で「理想的」に見える。

3社間ファクタリングの仕組みとメリット

3社間は、取引先を含めた3者間で契約を結ぶ。

売掛先は、売掛金を直接ファクタリング会社に支払うことになる。

この仕組みのおかげで、ファクタリング会社は「利用者が売掛金を横領する」というリスクを負わなくて済む。

だから、手数料は1%〜9%程度と、2社間と比べて圧倒的に安いんだ。

資金繰りに余裕があるなら、これを選ばない手はない。

現場の社長が3社間を選びにくい「致命的な理由」

しかし、現場の社長が3社間を選びにくい致命的な理由がある。

それは、「取引先への通知と承諾」だ。

あなたは、取引先の社長に電話して、こう言えるだろうか?

「すみません、うちの資金繰りが厳しくて、御社への売掛金をファクタリング会社に売却したいんです。承諾してもらえませんか?」

言えるわけがない。

もし言ったとして、取引先はどう思うだろう?

  • 「あの会社、よほど資金繰りがヤバいんだな」
  • 「うちとの取引を続けるのは危ないかもしれない」
  • 「次は倒産するんじゃないか?」

取引先は、あなたの会社との取引を躊躇したり、最悪の場合、取引そのものを打ち切ったりする可能性がある。

手数料が安いというメリットは、取引先の信頼を失うという、計り知れないリスクの前には無力なんだ。

【坂東の決断】俺が2社間を選んだ、たった一つの理由

さて、本題だ。

手数料が高いと分かっていながら、俺が2社間を選んだたった一つの理由

それは、「会社の信用を守り、生き残るための時間稼ぎ」だった。

絶望的な状況で「時間」を買うことの重み

あの時、俺の会社に残された時間は、給料日まであと数日だった。

銀行融資は絶望的。リスケジュール(返済条件の変更)交渉に時間をかけすぎた俺の失敗が、会社を崖っぷちに追い込んだ。

3社間ファクタリングを選んで、取引先に連絡し、承諾を得るというプロセスを踏んでいたら、確実に給料日には間に合わなかっただろう。

社員の給料が払えない。それは、社長として最も避けなければならない事態だ。

俺は、手数料という「命の値段」を払い、何よりも「時間」を買うことを選んだ。

この「時間」を使って、俺は冷静に次の手を打つことができた。

社長、生き残るための資金調達は、スピードが命だ。

取引先の信頼を失う「リスク」は絶対に避けろ

そして、もう一つ。

俺の会社は、長年の取引先との信頼関係で成り立っていた。

もし、ファクタリングの事実が知られ、取引先からの信用を失ったら、V字回復は不可能だっただろう。

取引先の信頼を失うリスクは、会社の存続に関わる「致命傷」だ。

3社間ファクタリングは、手数料が安いという魅力的な餌をぶら下げているが、その裏には、「取引先との関係を破壊するかもしれない」という巨大なリスクが潜んでいる。

俺は、このリスクを絶対に負いたくなかった。

だから、「取引先にバレずに、最速でキャッシュを掴む」という、現場のサバイバル戦略を優先し、2社間を選んだんだ。

綺麗事抜きで、まずはキャッシュを掴め。キャッシュさえあれば、次の手を打てる。

生き残るためのアクションプラン:ファクタリングを賢く使う3つの鉄則

俺の経験から、ファクタリング、特に2社間を使う社長に伝えたい、生き残るための3つの鉄則がある。

鉄則1: 手数料を「命の値段」として割り切れ

手数料が高いと嘆くのは分かる。俺もそうだった。

だが、その手数料は、あなたの会社と社員の命を救うための「保険料」だと思え。

15%の手数料を払ってでも、会社を倒産から守り、社員の給料を払えたなら、それは安い買い物だ。

感情論で悩むな。冷静に、「このキャッシュで、次の手を打てるか?」というリアリストの視点で判断しろ。

鉄則2: 2社間は「短期決戦」と心に刻め

2社間ファクタリングは、あくまで緊急時の「応急処置」だ。

手数料が高い分、長期的に使い続けると、会社の利益を圧迫し、ジリ貧になる。

俺は、ファクタリングで得た「時間」を使い、すぐに銀行との交渉を再開し、ABL(動産担保融資)など、より低コストな資金調達に切り替える準備を進めた。

2社間を使うと決めたら、「〇ヶ月以内に、より低コストな資金調達に切り替える」という明確な出口戦略を立てろ。

鉄則3: 最終目標は「銀行融資に戻る」こと

ファクタリングは便利だが、資金調達の王道は、やはり銀行融資だ。

銀行は「天気予報士」だ。晴れている時(業績が良い時)にしか傘を貸してくれない。

ファクタリングで危機を乗り切ったら、すぐに会社の財務体質を改善し、銀行が安心して融資できる状態に戻すことが最終目標だ。

俺は、ファクタリングで得たキャッシュを元手に、事業を再成長させ、5年で危機前の1.5倍の売上を達成した。

その結果、今では銀行から「ぜひ融資させてください」と言われる立場になった。

ファクタリングは、そのための「踏み台」として最大限に活用しろ。

まとめ:社長、生き残ってナンボだ。

ファクタリング「2社間 vs 3社間」の選択は、経営者にとって究極の選択だ。

  • 3社間:手数料は安いが、取引先の信用を失うリスクと、入金までの「時間」がかかる。
  • 2社間:手数料は高いが、取引先にバレずに、最速で「キャッシュ」を掴める。

俺が2社間を選んだたった一つの理由は、「会社の信用を守り、生き残るための時間を、手数料という対価を払ってでも買う」という、現場のサバイバル哲学に基づいていた。

社長、あなたの会社が今、資金ショート寸前で、一刻を争う状況にあるなら、迷うな。

綺麗事抜きで、まずは2社間でキャッシュを掴め。

生き残ってさえいれば、必ず次のチャンスは来る。

俺もキツかった。だからこそ、お前の痛みはわかる。

もう一人で悩む必要はない。生き残るための道筋を、俺が示す。

社長、生き残ってナンボだ。まずは、一歩踏み出せ。


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